当歯科医院のコロナ感染予防対策 その6
いけだ歯科矯正歯科医院の院長 池田一彦です。
土日に家でおとなしくニュースをみていましたら、いくつか気になる内容がありました。
「マスクについたコロナウイルスが、7日後でも、感染力があった」という報告がありました。これも、8日後には感染力がなくなったかどうかはわからないです。こんなに長く生きているとすると、なかなか感染のスピードは落ちないことも納得ができます。布マスクを洗っただけでは感染力は落ちない可能性が強くあります。洗ってウイルスを減らしてその後に十分な消毒する必要がありますね。
歯科医院では、口を触りますから色々なところに唾液が付きます。唾液にウイルスが含まれていたとすると、唾液が直接付いた所はもちろん感染源となります。そして、唾液が付いている部分を触った手で他のところを触ると、そこもウイルスが付着し感染源となります。コロナウイルスの院内感染を予防するには、唾液の付着した部分を拡散させないことが重要です。当歯科医院では、サランラップを貼って対応しています。患者様がうがいする洗口用の鉢・肘掛・ドリル用のホース・スイッチ盤周辺・口腔内吸引装置のホース・口腔外吸引装置の取っ手・照明用ライトの取っ手などにラップを貼っています。
手間はかかるし、サランラップの使用量も半端ではない大量です。
この写真の量で約2日分です。
以前から手には手袋をみんなしていました。しかし、一度治療を開始したら手袋をした手で触っていいのは、口の中とサランラップをした部分に限定されます。それ以外の余分な部分を触ると、そこを触った別の人の手が感染を広げていきます。このことは全員に注意を促しています。もちろん、一般的に患者様の口の中に入れる器具(ドリルとドリルの刃・ピンセット・ミラー・バキュームの先等)はコロナが流行する以前からすべて滅菌しています。
もうひとつ、ためになるニュース特集がありました。「新型コロナウイルスの3っの顔」についてです。
ネットでは、日本赤十字社のホームページに詳しく掲載されています。私なりにまとめてみました。
新型コロナウイルスが感染するのは、「病気」だけはなく、あと2つの側面があるらしいのです。
第1の顔は「病気」そのものということになります。
第2の顔は、心の中に「不安と恐怖」の感情が強くなり過ぎて、気づく力や聴く力や自分を支える力がなくなっていくという側面です。簡単に言うと不安と恐怖から冷静さを失ってしまうということです。うわさに振り回されて買いだめすることも含まれているかもしれません。
第3の顔は、「嫌悪・偏見・差別」という側面です。
不安や恐怖は人の生きようとする本能を刺激し、感染者を遠ざけたり差別したりします。これにより、人と人の信頼関係がなくなり、社会のつながりが壊れていくのです。
そして、人は差別を受けることが怖くて、熱や咳があっても受診をためらって、かえってウイルスの感染を拡大させる結果になってしまいます。つまりこの負のスパイラルに入らないように、私たちの心を冷静に保たないといけません。
詳しくは、日本赤十字社のホームページの
https://niigata.jrc.or.jp/wp-content/uploads/2020/04/211841aef10ec4c3614a0f659d2f1e2037c5268c.pdf
をご覧ください。
当医院のスタッフも、感染の危険がある仕事ですが、全員が使命感を持って、かつ自身も感染しないように最大限の努力を払いながら仕事をしています。
ウイルスとの戦いは、しばしば戦争にたとえられますが、勝ったとしてもウイルスがなくなることはありません。ウイルスと共存することになります。どうしたら感染し易くてどうしたら感染しにくいかをよく考えることが大切だと思います。
「敵を知り己を知らば百戦危うからず」
ウイルスと共に共存しながら、ウイルスに感染しない方法を模索していこうと考えていますし、当歯科医院の感染対策としてアップしてきた一連のブログもこの考え方に従って書いてまいりました。
今後も長期化は避けられませんので、これからもさらに感染しにくい歯科医院をめざしていきたいです。そして、これこそが、歯科医院のまわりの環境が急激に変化した結果、これからの歯科医院にとっての最大の目標になったことは、まちがいありません。