タバコは歯周病に大敵
タバコを吸うと歯周病がひどくなると言う事、みなさん御存じですか?
最近はタバコを吸う人は、段々と少なくなってきましたが、それでも時々ヘビースモーカーの方もいらっしゃいます。吸う量に応じて、影響も大きくなります。
例えば、1日に2~3本程度ならほぼ影響はありません。歯肉の色も明るいピンク色です。
5本を過ぎるくらいから歯肉は弱々しくて元気のない感じがしてきます。歯肉の色は少し赤みがかっています。
10本を超えると明らかに、煙に侵されて黒っぽて燻製状態のように見えます。これは、歯肉の毛細血管が収縮し血行が悪くなって、血液がうっ血して黒っぽい静脈血の色を反映するからです。歯肉の色は赤黒くなります。
20本を超えると、硬くて出血もしません。多分、歯肉の半分は死にかかかっています。歯肉の色はどす黒い色になります。
歯周病は歯と歯肉の境目の隙間から汚れと細菌が入ってきて停滞し、細菌が増えて進行して行きます。タバコをよく吸う人の毛細血管は収縮していて、血液のあまり通わない状態になっています。そんな歯肉では、その細菌を殺す免疫物質や白血球があまり来ないため防衛しきれず、破壊が進んでいきます。歯周病は、軽度のうちは自覚症状がまったくないため進行している事に気付かず、重症になってから来られる事が多いです。歯周病はお口の中で全体的に拡がっているので、歯を失い始めると、同時に一斉に動きだして次々に抜けていくことになります。しかも、タバコが原因で歯周病が進行していく事はあまり知られていないので、今日の患者様も「えー、そうなんですか?」という感じでした。
タバコを吸われている方は、胃がん・肺がんのリスクと共に、歯周病で歯が無くなっていくリスクも負っている事を知ってほしいと思います。