上顎洞底挙上術2
実際に上の顎にインプラントをしていった例をご紹介しましょう
まずは上顎洞底挙上術が必要ない場合から説明しましょう。
まず左上の写真から説明しましょう。上の歯に3本つながったブリッジが入っていますが、一番左側の歯が割れてしまいまして 痛みが止まらないために抜歯せざるを得なくなっていました。一般のブリッジは真ん中が抜歯されていて両端に支えの歯が残っていることが多いのですが、この場合は支えの歯が片方しかなく中央の歯に負担がかかってわれたものと思います。患者様が抜歯とインプラントを決断するまでに2ヶ月かかってしまいました。2ヶ月後に抜歯した直後のレントゲン写真が右上の写真です。
上顎洞の一番低いところから歯を支える歯槽骨の上までの距離が15mmくらいでした。
一般に抜歯をすると穴が残ります。穴があるままではインプラントが不安定になりすぐにはインプラントを入れません。穴の中に次第に骨ができて完全に骨になるまで半年近く待ちます。しかし、その際にはやや骨が小さくなって、高さも下がりますし幅も狭くなります。この場合には、抜歯から4ヵ月後で15mmが13mmにまで下がりました。
インプラントにも色々なサイズが準備されていて、一般に10mmから12mmが最も使用頻度が高いです。13mmあれば長いほうの12mmでも入ります。もしも、12mmを入れていれば残りの骨の厚みは1mmです。最低でも1mmの余裕がないとギリギリ過ぎるとドリルがオーバーした時に鼻に抜けてしまいます。このケースでは、6mmの長さのインプラントを2mm骨縁下の入れましたので残りが5mmと余裕があります。上顎洞底挙上術どこのメーカーでもこれだけあれば入りますが、脱落しにくいという理由から私は上顎にはバイコンと言うメーカーのショートインプラントを入れています。元々ショートインプラントは骨の高さが少ない時でも、骨を作る必要がありません。
最も短い物で5mmというサイズのインプラントがありますから、最低6mmまでは骨を造らずに入れることが可能です。一般のメーカーでは最も短いサイズはほぼ8mm~8.5mmとなっていますからこの場合は9mm以下ならば上顎洞底挙上術をする必要性が出てきます。実際、当医院で上顎洞底挙上術をする症例は全体の半分から3分の1ぐらいにもなります。上顎洞底挙上術をされない先生方では、インプラントができないと言われる事もしばしば有りますが、当医院では可能ですのでご相談ください。
骨の厚みのない症例はまた、後日説明しましょう。