歯並びに影響する悪習慣2 口呼吸
歯ならびに影響を与える悪習慣について書いています。
1 指しゃぶり
前回のブログ(3月6日)に書いたように、出っ歯の原因となりやすいです。
2 口呼吸(こうこきゅう・くちこきゅう)
子供さんは、5歳くらいをピークにアデノイドといわれる咽頭扁桃が肥大する事がよくあります。
いわゆる扁桃腺は、ばい菌が入った時に体を守るためのリンパ組織です。大きく肥大すると鼻が出たり・鼻がつまり易くなり、詰まったままだと息がしにくくなります。そうすると、仕方なく鼻の代わりに口で呼吸するようになります。これが口呼吸です。
かぜを引いたときなど短期間なら問題はありません。しかしこれを長い間続けていると、口の中は乾燥して唾液が歯の汚れを洗い流せなくなり、汚れが付着したままになります。従って虫歯にとてもなりやすくなります。しかも、矯正的には、出っ歯になりやすくなります。そのメカニズムを説明しましよう。
口の中に空気を通すには、口をあけたままにしておく必要がありますが、開けたままだと顎は疲れてきます。最小限に開けると穴は小さくなり、空気の流れは速くなります。すると、弱い空気の抵抗でも、長期間の力が作用することで、歯は動き、骨は変形して、口の中に空気の通り道が次第に形成されます。これによって、口を大きく開けなくても空気を通す事ができるようになります。上の前歯は出て出っ歯となり、舌の上にある上顎骨という骨の口蓋という部分が引っ込んで天井が高くなるのです。
空気の抵抗で歯が動くのは意外な感じがするかもしれませんが、歯は短時間の強い力には抵抗しますが、ごく弱い力でも長時間に渡って作用すると歯は徐々に動いていくのです。
対策としては、鼻が通るようにする事が第一です。耳鼻咽喉科を受診してアデノイド肥大症を改善する事がお勧めです。
春は花粉症の時期でもあります。アレルギー性鼻炎にもなりやすいですので要注意です。
3 口をポカンと開ける習慣
テレビを見ていたり、何も口を意識していない状態では、人は口を閉じているものです。しかし、中には口がポカンと開いている事があります。
原因は色々ありますが、軟らかい物を多く摂取して良く咬まないと、口の周囲の筋肉(特に口輪筋)の発達が弱くなる事に原因がある事も多いです。
先ほども述べましたが、歯はとても弱い力でもゆっくりと動くものです。歯が出っ歯にならないように、かつ引っ込み過ぎないようにちょうど良い位置で止まっているのは、舌が内側から押す力と唇や頬が外側から押す力が均衡しているからです。
口をポカンと開けている場合とは、唇の筋肉が弱く、舌が歯を内側から押すため、前歯がでてきます。そして筋肉の力が均衡する場所で止まるのです。でも、その位置は正常の位置よりやや外側に来ているのです。
矯正の治療の中に筋肉を鍛えるトレーニングをする場合もあるのです。
家庭でできる対策としては、野菜多くを食べる。よくかんで食べる。ニンジンなどの根菜などは大きめに切って咬む力を鍛える。などなど
次回は、食べ物を飲み込む時の悪習慣についてお話します。