海外のCAD/CAM冠の話
セラミックの歯(CAD/CAM冠)を製作するセレックという機械を購入しましたが、その導入医院向けのセミナーに参加してきました。スタッフ4名も同時に受けましたが、次の時代の先取りした感じの内容で全員かなりカルチャーショックを受けました。
もう、欧米では、金属の歯は入れないそうで、オールセラミックの被せ物しか入れないようです。その理由はいくつもあります。
まず、銀歯はその下が、虫歯になりやすいのです。大体5年以上時間が経過している銀歯の多くは、外してみると下のセメントが洗い流されていて、虫歯になっている事が多いです。銀歯の寿命は平均7年ですから早目に交換しておいた方が安全です。
また、銀歯と歯の境目に段差ができるので、その周り歯肉は歯周病も進行しやすくなります。銀歯にすると周りの歯肉は下がりやすくなります。
更に、金属アレルギーの可能性もあります。金属が溶けてイオンになりそれに対して過剰に排除する機構が働いてアレルギーになります。また、金属アレルギーという程、状態がひどくなくても、生体にとってはかなりの異物ですから、排除しようとする機構は働かないわけではありません。歯肉が下がるのもその一つの働きです。
海外では、中国人・韓国人・日本人は外見では外人には判断がつかないそうです。でも、口の中をみると、すぐわかるそうです。
日本人の歯は銀歯がいっぱい入っているそうで、韓国人は歯がホワイトニングをしすぎたくらい真っ白だそうで、中国人は歯が抜けていてもそのままの状態だそうです。
銀歯は地球環境にも優しくなくて、たくさんのCO2を排出します。型を作る時にまず最初に、蝋(ろう)を溶かして形を作りますが、アルコールランプか卓上バーナーを使いますので、CO2を発生させます。次に鋳型を作る時に高温炉の中で蝋を燃やして空洞を作りますがその時にも大量の電気を使います。その後、、更に別にガスバーナー等で金属を溶かして鋳造しますので、大量のガスを燃やします。考えだけでも、膨大な熱を消費します。
海外のドクターから言わせると、「日本人は、まだ銀歯ばかり作っていて、エコロジーではないなあ。」となります。
実際海外の大学の歯学部の学校教育でも、セレックの機械が学生2人に1台配備されて、全員が陶器の歯を削って作る練習をするそうです。セレックは1台1000万円~1500万円もする高額な機械ですが、それが20台も並んでいる写真をみると壮大です。それが1つの大学だけではなく、歯学部の多くの大学で導入されているようで
日本は、やや遅れをとった感じがします。
去年の4月から保険に導入されたCAD/CAM冠は小臼歯だけで材料も本当のセラミックでなく制約されています。やはりいい物は少し高いのですが、白いセラミックのCAD/CAM冠がお勧めです。