レントゲンはなぜ撮るの?
みなさん歯医者に行くと、レントゲンを撮られることがあると思います。
多くの歯科医院でレントゲン撮影は基本的な検査として行われていますが、どうして見れば分かりそうなのにレントゲンをとらないと行けないのかと疑問に思ったことがある方もいると思います。
歯科治療は口の中は直接見たり触ったりすることが可能で、目で見て分かる虫歯や歯周病の状態もありますが、内部で進行している病状は目で見るだけでは分からないことがたくさんあります。レントゲンを撮ることで目には見えない歯の状態がわかるので正確な情報を得ることができ、診断することができます。
☆レントゲン撮影でわかること。
虫歯の進行
歯と歯の接している面の虫歯
被せ物の下の虫歯
歯茎の下に歯石がついているか
歯周病によって歯を支える骨が溶けているか
歯の根が割れていないか、感染して膿胞ができていないか
神経がある歯なのか、ない歯なのか
レントゲン撮影でたくさんのことがわかりより正確な診断と治療をすることができます。
当院で撮影しているレントゲンには3種類あり、ひとつが小さなフィルムを口の中に入れて外から撮る方法で部分的に撮影します。
もうひとつはフィルムを口の中にいれないで外から顔まわりを一周回って撮るパノラマという方法で、歯や顎の骨格などが映るので親知らずの生えている方向もわかり、矯正治療を始めるときなどにも撮影します。
もうひとつはCTです。
立体的に撮影することができて、いろんな角度から見ることができます。位置などが立体的に正確にうつる分かるのでより正確に状態がわかります。
☆被曝量の心配
治療の経過など数回X線撮影をすることがあり被曝量が気になる方が多いと思いますが、日常生活のレベルで考えて、歯科の放射線量はほとんど心配しなくても大丈夫な範囲だと言えます。放射線は自然界に存在していて、私たちは常に地面や空、大気中などから放射線を受けているのです。その量は、日本では年間約1.5ミリシーベルトで世界の平均は2.4ミリシーベルトです。
小さなフィルムのレントゲンの放射線量→0.01~0.03ミリシーベルト
パノラマ放射線量→約0.04ミリシーベルト
この量は自然界から1年間に受ける量の50~150分の1程度の少ない値なのです。
妊婦の方や小さなお子さんのお母さんは特に心配になる方も多いかと思います。
実際、胎児に影響がでる被曝量は250ミリシーベルト以上と言われています。
そのため、もし、妊娠していることに気付かないまま歯科のレントゲンを撮ったとしても、影響はないと考えられますが、妊娠中の方は被曝量は少ないに越したことはないので念のためできるだけレントゲン撮影を避けたり、必要最低限の枚数を取って治療したほうが良いでしょう。妊娠中の方は必ず歯科医師に伝えてから受診されてください。
レントゲンを撮らないと的確な治療を受けることができないこともあるのでレントゲン撮影は歯科治療にとって欠かせない検査なのです。
歯科のレントゲンによってへの体の影響の心配はなく、治療の必要な情報が得られることのメリットのほうがとても大きいので、皆さんも歯科を受診する際は安心して治療を受けてください。