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院長ブログ

インプラントの長期経過

今日はIPOIインプラント学会の南九州ブロックの発表会に参加しました。
テーマは『インプラントの長期経過について』で、鹿児島で開催されました。

インプラントを初めて患者様に入れてから、もう8年から9年になります。しかし、今日の長期経過は、10年から20年、長い症例では30年といった症例もありました。歯科医師自体が世代交代して、先代の父親がした患者様を継続して治療しているものもありました。

今と昔は、インプラントの理論や種類や方法や道具までも全く違っていました。
例えば、現在では、天然の歯とインプラントは連結しない方がよいとされていますが、今日見た症例の中には、当時は連結していて今でもきちんと機能しているものもあり、一定の条件を満たしていれば良い場合もあると思われ、考えさせられました。

また、長期にインプラントを長持ちさせるためには、メンテナンス=定期的クリーニングの重要性も再確認しました。そのためには、クリーニングしやすい被せ物(=上部構造)の形も大切であると認識しました。

長期経過の間には、インプラントの修理が必要になる事もあります。多くは、インプラント本体と上の被せ物を連結しているネジが有るのですが、そのネジが折れたり、ネジがゆるむ場合があります。
こんな時のために、ネジの方向や位置を画像で記録しておく事も重要であると思いました。これをしておくと
ほんとに、修理が楽です。インプラントの保証書自体を発行していない歯科医院も結構多いと思われる中、あえて、当医院では治療終了後に5年の保証書を発行しています。後の事を考えて患者様が困らないように発行していますが、ネジの位置や角度の記録をして同時に情報を提供すべきではないかと今日思いました。

あと、意外だったのは陶器が欠ける事が思いの他、多かったことです。
10年~20年前は多くの被せ物はメタルボンドという陶器の被せ物でした。金属のフレームの上に陶材を盛って焼付けた物です。硬くて透明感のあるきれいな歯ですが、インプラントにはかなりの強い力がかかっているようで、その力に耐え切れずに欠けているメタルボンドが多かったです。今は、当医院でもメタルボンドはあまりしていなくて、多くはオールセラミックのCADCAM冠かジルコニアという素材が多いです。メタルボンドに比べると2倍~5倍の強度が有りますので、欠けたりする可能性は現在では、少なくなっています。

全員が開業医なので、教科書には載っていない臨床に役立つ多くのヒントを得る事ができて、大変に有意義な一日でした。
ただ、最後に小倉~鹿児島まで行きは1時間40分くらいで早くて、とても近く感じたのですが、帰りは架線に飛来物が引っ掛かったそうで、新幹線が2時間も遅れて、けっこう寿司詰め状態で大変でした。

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