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院長ブログ

歯の外傷時の応急処置

人が歯を失う原因でもっとも多いものは何でしょうか?第一位は歯周病と言われています。最近は歯磨き粉などのテレビCM等でそのデータを目にする機会があった方もいらっしゃることと思います。ドラッグストアのデンタルケア商品コーナーを覗いてみれば、歯周病予防、治療を謳う商品が数多く陳列されており、年々歯周病に対する世間の関心が高まってきていることを伺わせます。しかし、この「歯周病が歯を失う原因の第一位」というデータは老若男女全ての方の平均を表したものであり、年齢別に見ていくとその順位にも違いが見えてきます。年齢が上がるにつれ、歯周病の影響が大きそうなことはなんとなく想像がつくことと思いますが、では若年層ではどうでしょうか?25歳までの若年層では、歯の喪失原因の第一位は「外傷、矯正、その他」が66.8%を占めており、それに継ぐ「虫歯(30.9%)」「歯周病(2.3%)」とは大きく水をあけています。例えば55~64歳のデータは「外傷、矯正、その他(16.6)」「虫歯(28.3)」「歯周病(55.1%)」となっており、その比率は全く異なっていることが分かります。つまり若年層においては、全体の傾向に反して歯周病よりも事故等で歯を失うリスクの方が高いということが分かります。小学校での歯・口腔領域の外傷割合のデータを見ると、「歯牙破折」「亜脱臼」が全体の70%を占め、ついで「脱臼」が25%と続きます。大人のかたで事故等によって完全脱臼となるのは稀ですが、これは歯を支える骨が子供に比べて成熟し強固になっており、歯に加わった衝撃を逃がさないので、力の集中した根や歯牙が折れてしまうことが多いためです。子供の場合は、骨が未成熟で柔軟であるため、歯が折れる前に丸ごと脱臼してしまうことがあります。「遊んでいたら、勢いあまって友達の頭にガツンと衝突。気がついたら血まみれの前歯が地面に転がっていて、口の中も血だらけ」
下の写真は交通事故により折れた歯と抜けた歯です。

こんな状態になってしまうと、本人はもとより、保護者の方も見た目の惨状にパニック、となっても致し方ない事かも知れません。しかし、こんなときこそ適切な対処法を知っているかどうかが、歯を一本失うかどうかの分水嶺となります。
まず第一に「根の部分を決して触らずに拾い上げる」ことが肝要です。抜け落ちた歯がもとに戻した際に生着するための必須条件として、「根に残っている歯根膜細胞が生きている」ということが挙げられます。このため、根の部分を持ってしまうと歯根膜細胞にダメージを与えてしまう恐れがあるので、歯の頭を持つように気をつけてください。
第二に「汚れていても、決して水道水で洗わない」ことです。理由はやはり、歯根膜細胞を保護する為です。水道水では浸透圧の違いにより組織破壊を引き起こします。
第三に「なるべく早く抜けた歯をもって歯科医院を受診する」ことを心がけてください。この際、歯牙保存液に浸漬して持ち運べれば最良ですが、一般家庭で備えていることは稀と思いますので、牛乳で代用することが可能です。歯についている汚れが多い場合は、擦らずに牛乳で軽く流してください。多少の汚れは落とさず一緒に浸けても問題ありません。
もしも牛乳さえも無ければ、口の中に入れて乾燥しないようにもっときて下さい。
若いうちに歯を失ってしまうと、その後長い時間を欠損と付き合っていかなければなりません。少しでも歯を残せる可能性を高める為に、必要な処置を頭の隅に留めて置いて頂ければと思います。

いきなりの??クイズ??です

いきなりクイズです。何の事についての記述か当ててみてください!
「気づかないうちに日常的に受け取っているもので、食べ物にも含まれる。病院で治療に使うこともあるし、温泉の効能を発揮する成分の一つでもある。しかし、多量に摂取すると様々な健康被害や、致命的な病気を引き起こす原因にもなりうる。」
さて、何でしょう?

一体どのようなものを想像されましたか?例えば「塩」なんかはどうでしょう?大抵の料理には含まれていて、気づかないうちに摂取していますし、病院では「生理食塩水」として点滴や注射、洗浄など様々な医療の用途で使われてます。塩化物泉は温泉ではポピュラーなものですね。多量に摂取すればもちろん体調不良になりますし、習慣的な摂取過多が続けば、高血圧から脳卒中や心筋梗塞の原因にもなりえます。
で、答えは「塩」かと言われますと、実はそれは私が意図した回答ではありません。上記の文章に当てはまるもの、それは「放射線」です。「塩」と「放射線」を比べると、「日常的でありふれたもの」と「あまり馴染み無く、危険な感じを受けるもの」というように感じられますが、放射線は塩と同じくらい私達の生活の中でありふれたもので、身近にあるものです。

放射線はレントゲンを撮影するときぐらいしか受けていないようなイメージがあるかもしれませんが、私達を取り巻く環境の中にはいたるところに放射能を持つものが存在しています。例えば空(宇宙)から、また大地から、空気中の微粒子から、食物から、普通に生活しているだけでも、年間の世界平均で2.4mSv(ミリ シーベルト)程度の放射線を受けています。2.4mSvと言われても、なんとも馴染みのない単位なのでそれが良いのか悪いのか判断がつかない事と思いますが、一年間に受ける放射線量が100mSv 以下であるばらば、人体への影響はほとんどないと言われています。

では、自然に受けるものではない、レントゲンなどの放射線量はどれほどなのでしょうか?たとえば医科で胸部CT撮影を受けたとすると、7.0mSv 程度になります。胸のエックス線撮影で0.1mSv 程度です。年間で2.4mSvだとすると、胸のレントゲン24枚で一年分の自然放射線量か、と思うと少なくはないように思えるかもしれませんが、例えば東京からニューヨークへ飛行機に乗って往復すると、それだけで0.2mSv程度の放射線を受けると言われています。これは飛行機が地上よりも空気の薄い上空を飛ぶためで、宇宙からの放射線の減衰量が少なく、結果として浴びる放射線量が多くなることによります

では、歯科でのレントゲンはどうでしょう?お口全体が写る大きいレントゲンが0.02~0.09、お口の中にフィルムを入れて撮影する小さいレントゲンが0.001~0.02程度になります。飛行機で受ける放射線量よりも少ない値ですね。また、実際に撮影する際には、不必要な部位への照射を防ぐために鉛エプロンを着用しての撮影になります。(そもそも、歯科における放射線被爆は非常に少ないので、エプロンは不要なのではないかという議論もあるくらいです)幅に数倍~数十倍の開きがあるのは、昔のフィルムによる撮影と最新のデジタルレントゲンによる差で、デジタル化によってかなり放射線量は少なくなっています。
当歯科医院では、CTは当然のことながら、すべてのレントゲンがデジタル化されているのでご安心ください。

レントゲン写真は、目視で見えない部分を診断するための非常に有用なツールです。歯茎の中に埋まっている骨や根っこの状態はもちろんのこと、頭が見えている歯であっても、歯と歯の間にできた虫歯などは神経にかかるような大きな虫歯でも目視のみの診断では分からない事があります。「放射線」と聞くと、「危険、有害」といったイメージが浮かぶかもしれませんが、適切に使用をすれば診断、治療、または健康増進の大きな助けともなります。当院では不必要なエックス線撮影は行いませんので、安心して受診してください。

40歳以上の9割は歯周病

☆歯周病とは
細菌の感染によって歯の周りの組織に炎症が起きる疾患です。年齢と共に進行し、40歳以上の成人の9割は、程度の差はありますが歯周病になっていると言われています。
進行すると歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けて支えることができなくなり最終的にはぐらぐらしてきて歯が抜けてしまう怖い病気です。
大きく別けて
① 炎症がまだ歯肉だけに起こっている⇒歯肉炎
② 炎症が歯槽骨や歯根膜にまで進んでしまっている⇒歯周病 
以前は歯槽膿漏(しそうのーろー)ともよばれています。

☆歯周病の症状
①プラークが歯肉に付着して炎症を起こす
 症状:ネバつき、口臭
②炎症によって歯肉が腫れて歯と歯茎の隙間に汚れがつきやすくなり炎症を起こす
 症状:歯磨きの時の出血、歯茎が赤みをもつ
③歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)が深くなり、さらに奥に歯周病菌がたまることで炎症がひどくなり、歯を支えている骨が溶けていく
 症状:腫れる、赤みが悪化する、炎症が起き歯茎を押すと膿がでる
④骨がさらに溶けて歯周ポケットが深くなる
 症状:出血が多くなる、歯が揺れる、噛むと痛い、歯茎がよく腫れるようになる
⑤骨が歯を支えられなくなりグラグラして抜かないといけなくなる
 症状:揺れて噛めない、痛くて噛めない、常に歯茎が腫れている

☆歯周病の原因 
・歯垢・歯石・歯並び・かぶせ物の不具合・口呼吸
歯周病はお口の中にいる細菌による感染症です。お口の中には何百という種類の細菌がたくさんいて1mmの立方体の磨き残しのプラーク(歯垢)にたいし約100億個菌がいると言われています。磨き残しなどでプラークを増殖させたりして口腔内の環境を清潔にできていないと歯肉の炎症を引き起こす原因になります。
直接の原因であるプラークのほかにも関係している原因があります。
・喫煙・先天性の遺伝・ホルモンの影響・薬の影響・不規則な生活など
喫煙はタバコに含まれるニコチンが血管を収縮させてしまうので歯肉全体の血行が悪くなります。また、タバコの煙に含まれる一酸化炭素は組織への酸素がいきわたらなくなり酸欠状態になることで抵抗力が低くなり歯周病を悪化させてしまうと言われます。
☆歯周病は全身疾患にも影響
・動脈硬化・脳梗塞・糖尿病・心筋梗塞・低体重児出産、早産など全身に関わってきます。
歯周病菌は腫れている歯茎から体の血管内に入っていき血液と一緒に全身に回っていきます。なので、お口の中だけでなく全身にも影響してくるのです。
例えば糖尿病は歯周病の合併症のひとつと言われていて、歯周病にかかると糖尿病の症状が悪化し、逆に歯周病の治療をすると糖尿病も改善することがあると言われています。

歯周病を予防することで生活習慣病の予防や健康な体にも繋がります。
昔は歯周病の治療は歯石をとるなどの外科治療が主でしたが、それでは歯周病の原因になる菌が死なないので効果がみられませんでした。今では顕微鏡で歯周病菌を調べ、薬で菌を殺して治療する歯周内科という治療もあります。今痛みがないからと大丈夫と思われる方も一度歯医者で歯周病の検査を受けてみるのをおすすめします。

研修旅行

しばらく院長ブログをお休みしていました。
実は、スタッフの研修慰安旅行にイタリアに行っていたからです。
新人を含めて全員でイタリアというわけでありません。基本は3年以上継続して勤務している人または、勤務する意志があるという基準があります。もともと、この企画を提案したのは、3年前でしたので、そのときから少しずつ積み立てをしての旅行でした。
求人難の時代に、普段は行けないような所に行ける職場として効果があればと思い企画しました。

旅行日程は、最初はロンドン経由のミラノからスタートして、ベローナ、ベニス、フィレンツェ、ピサ、ローマと回りました。
それでも結構強行軍となり、ローマより南のナポリやアルベロベッロ、シチリアは当然無理でした。
でもかなりの数の世界遺産は回りましたし、パックツアーに比べると二倍近くは動き回った感じがします。
ミラノでは、ドォーモ・最後の晩餐・スカラ座・モンテナポレオーニ通り・EATALYミラノ店・スターバックス(イタリア一号店)
ベローナでは、ジュリエットの家
ベニスでは、サンマルコ広場・サンマルコ寺院と鐘楼・ドゥカーレ宮殿・リアルト橋・ムラノ島・ゴンドラ
フィレンツェでは、洗礼堂とドォーモと鐘楼・ウフィツ美術館・ミケランジェロ広場・
ピサでは、洗礼堂・ドォーモ・斜塔・斜塔登上
ローマ、コロッセオ・サンピエトロ寺院とバチカン・トレビの泉・スペイン階段・フォロロマーノ・真実の口・コンドッティー通り
短時間でなぜこんなに行けたかというと、昼間は観光と買い物をして、移動は夕方から夜にかけて列車で移動しました。
晩御飯をレストランで食べると高額となるので、割安なランチをレストランで食べて、夕食は列車の中でファーストフード的な物を食べました。でも、決しておいしくなくはなくて、ピザ・パスタは当然おいしいですし、ベローナで食べたトルコ料理のケバブのテイクアウトは安くてとてもおいしかったのと、フィレンツェ中央駅のすぐ東にあった中華料理と日本食の店もテイクアウトできて、本格的でした。
元々、イタリアに行った理由は、私の個人的趣味としてのイタリア語が多少は話せるというのが原点です。
38歳からイタリア語を始めて10年近く趣味としてやっていました。しばらくのブランクがあったものの、行ったら言いたい事が普通に口をついて出てきました。旅行会話程度ですが、若い時に培った語学がそのまま残っているという点ではとても驚きでした。
今回の旅行はツアーガイドに徹底していたので、ガイドさんに連れられて楽しむというよりは気を使ってばかりで大変疲れました。

歯磨き剤の効果実験

副院長の甲斐です。
今回お盆休みの空いた時間を利用して、歯磨き剤の効果の実験をしてみました。

どんなものにも流行り廃りというものがありますが、歯科の世界であってもtrendの治療法、材料というものが存在します。治療の根幹となる部分から抜本的に変わるということは滅多にありませんが、よりすぐれた手法や材料へのマイナーチェンジというものは短いスパンで行われているものです。そうやって新しいものが生まれていった結果、治療の選択肢は広がっていくのですが、患者様の側からすると、治療法や使用材料というものを自由に選ぶというのは中々難しい事ではないでしょうか。その点、薬局で購入できる「歯磨き粉」は品揃えという制約を除けばほぼ自由に選ぶことができます。歯磨き粉(歯磨剤)は、歯磨きの清掃補助剤として、汚れを落としやすくする、殺菌作用をもたせる、口臭を防ぐ、爽快感を与える、など様々な効能がありますが、やはりその時々で流行というものがあります。少し前には、歯磨き粉の中に含まれている清掃剤(研磨剤)が、歯牙を磨耗させることで表面に傷をつけたり、知覚過敏を引き起こすとして、「研磨剤無配合」のものが人気を博していました。確かに、研磨剤を含む歯磨き粉を用いて間違ったブラッシングを続ければ、無配合のものと比べて知覚過敏等の不快症状を惹起する可能性が高くなることは否めません。しかし、研磨剤はもちろん何の意味も無く配合されているわけではありません。研磨剤無配合の次に流行したものが、「美白、ステインクリーニング作用」を持つものでした。これは、研磨剤を含まない歯磨き粉を使用したことで、着色等が取れないことが気にかかった方が一定数いらっしゃったことを示しているのではないでしょうか?着色がどの程度起こるのかということは、コーヒー、ワイン等沈着しやすい色素を含む食物をとる機会が多いか、などの食事の嗜好の問題や、歯牙の表面性状、歯並びなど多因子に影響を受けるので個人差が大きいものですが、実際のところどの程度歯磨き粉で落とすことができるのでしょうか?
研磨剤の有無でどの程度清掃能力に差がでるのか実験してみました。

(1) まずCD-Rの記録面に油性マジックで汚れのモデルを作っていきます。
今回使用する歯ブラシは一般的なフラットタイプです。

まず流水下で歯磨き粉を使用せず擦掃してみます。

やはり、というか全く落ちる気配がありません。

(2) 次に、研磨剤無配合タイプの歯磨き粉を使用してみます。

今回使用するのはバトラーの液体歯磨き粉です。
これを使って磨いてみると・・・

流水下で磨いたときと何も変わっていないように見えますね。

(3) 次に研磨剤入りの歯磨き粉で試してみましょう。今回使用するのは、ホテルなどでアメニティとしておいてある使いきりタイプの歯磨き粉です。

名前からして効果が期待できそうですね。実際に使用してみると・・・

10往復程度でマジックで作った汚れのモデルが落ちていきました。しかしCD-Rの記録面には細かい傷が入っている様子が見受けられます。

(1)~(3)の結果を見てみると、着色を取るということに関しては、研磨剤無配合のものはブラシのみの擦掃と同程度の効果しかありませんでした。研磨剤入りのものでは、確かに着色を取る効果を確認できましたが、ディスクの状態を見るに使用方法を誤ると歯牙表面の荒れを引き起こす可能性があります。洗車を例にとると、研磨剤を含むシャンプーやコンパウンドで洗ったり研磨をして、磨き方や拭き上げ方を誤ると洗車傷ができるようなものです。そういった場合、車では正しい洗車法や、ボディ表面へのコーティングが有効だと言われています。歯でも同じ事で、当院でもプロの手による専門の材料を使った着色取り、歯牙表面の傷を修復するトリートメントなどを行っておりますので、ご関心いただけましたら是非スタッフまでお声掛け下さい。

35歳を過ぎたら歯間ブラシ

食事が終わった後に、歯と歯の間に食べ物がつまって、つまようじを使いたいと思ったことはありませんか?
多くの方が30歳~35歳のころになるとそう思うようになります。日本で40歳以上の人は、程度の差はありますが、ほとんど歯周病になっているといわれています。
歯周病対策に特に有効なのが歯ブラシでのブラッシングです。しかし、歯ブラシだけでしっかりと磨けていると思っていても汚れは意外と残っているものです。磨き残しは口臭の原因になっていることも多くあります。歯ブラシだけでは落としきれない歯垢の除去にはデンタルフロスや「歯間ブラシ」が適しています。35歳を過ぎたら歯周病予防のために歯間ブラシがお勧めです。つまようじを使いたいと思ったことの無い30歳以下の方にはデンタルフロスがおすすめです。デンタルフロスは前回のブログでお話しましたので、そちらを参考にされてください。。

一方、歯間ブラシは歯茎が下がってきたり、歯と歯の間に隙間が出来てしまった方や、ブリッジ治療をした方の清掃にも適した小さなブラシです。ブリッジを装着すると、失ってしまった歯の両隣の歯に橋渡しをするような格好になるので、デンタルフロスを上から通すことが出来ません。歯間ブラシを使って歯の横からブラッシングすると歯垢が除去できます。

歯間ブラシの種類は大きく分けて、持ち手からブラシの先まで真っ直ぐのストレート型と、L字型に曲がっているものがあります。ストレート型は前歯の歯垢を取りやすいです。しかし、奥歯に使おうとすると、口の端に歯ブラシの持ち手が引っ掛かり使いにくいことが難点です。そこで、ストレート型の難点を克服したのがL字型の歯間ブラシです。持ち手がブラシに対して横向きに付いているので、奥歯の歯間に入れる際にも口の端に引っ掛かりません。

また、ブラシ部分は針金にナイロンのブラシが付いたものです。
ナイロンのブラシは清掃効果が高いですが慣れるのに少し時間がかかります。使い方はまず、歯茎に沿わせて斜めに当てます。そのまま歯間ブラシを隙間に対して水平にゆっくり入れます。前後に2~3回動かして使います。裏側からも同様に行うと効果的です。

サイズも4S、3S、SS、S、M、L、LLの7段階あるので、使用する際にはご自分の歯の隙間にあった大きさの歯間ブラシを選ぶことが大切になってきます。
ブラシの部分が小さすぎると歯垢を除去できません、大きすぎると歯茎を傷つけてしまいます。理想としては、歯間ブラシを歯と歯の間の隙間に入れた時、軽く歯茎を押す感触があるくらいのサイズです。

初めて使用する際は、「小さいサイズ」から試すのがよいでしょう。とはいえご自分で判断するのが難しいという方は歯科医院に相談することをお勧めします。

九州デンタルショーの感想

今日は二年ぶりのデンタルショーでした。デンタルショーとは歯科用の機械・道具・材料のメーカーが一同に集合してブースを出し、開業医や医療関係者に説明をしたり、相談を受けたりする展示会です。

デンタルショーにはほぼ毎年来ていますが、時代を反映したものが、展示されています。今年感じたのは、人手不足の時代を反映して、手間を省いて機械するものが充実してきたと思いました。

興味を引いたものがいくつかありました。

まずは、自動つり銭機というか自動会計機です。レセプト用のコンピューターと連動していて金銭の授受を機械がするものです。政府の「働き方改革」が進められる今、残業を減らす事は人材の確保のためにも、大切だと思っていますので、時代を先取りした機械といえるでしょう。

高額な物は1000万円で、小倉記念病院で見かけたものと同じでした。安い物でも150万円ほどでした。これは、スーパーのレジで見かけるものと同じものでした。レセプト用のコンピューターと連動するとそれなりに200万円とかになるようで、気軽に買えるものではなく、それなりに決断が必要ですね。ただ、1月26日のブログにも書きましたが、優秀な人材を採用するためには、当医院も残業時間を短縮したいのでいずれは、導入することになるだろうと思いましたので、真剣に見てきました。

歯科は一般企業に比べると、やや遅くまで診療している傾向があります。良い人材を確保するためには、残業が少なく、休みが多く、給与も少なくはないという条件が求められているようです。ゆとり教育の世代が卒業してくる時代背景の中、やはり頑張って高い給与を目指そうとする人は、少ないようです。

次に、技工士の手間を省くCAD/CAM装置の種類がいくつか新発売されていました。CAD/CAMは、陶器のブロックを削ってセラミックの被せ物を作る機械です。千数百万円以上する機械で、以前はシロックスというメーカーのセレックという1機種だけでしたが、今年は国産も出ていました。今年の保険改正の中に、ハイブリッドセラミックのブリッジも部位限定で可能となりました。また、金属アレルギーがあれば、保険でも奥歯に白いハイブリッドセラミックの被せ物ができるようになっています。いずれも、CAD/CAM装置が必要で、技工士さんの手間を省けるので、今後も普及が予想されます。

当医院では、3年前に導入済でしたので今回はあまり真剣には見ていませんが、以前よりも安くなっているようです。

あと、インプラントのブースが、出ていなかったり、小さくなっていたりしました。インプラントも何となくですが、成長期は終わり、市場が成熟した感じがしました。

インプラント矯正の新しい潮流

今日はインプラント矯正のセミナーに参加しました。

矯正の分野にインプラントが導入され始めたのは10年くらい前でした。歯を動かすのには、針金やゴムで力をかけますが、その反作用で固定源にしている大臼歯も多少動きます。この動きを止める物として小さなビス状のインプラントを使う方法が普及してきたのです。私も時代の流れに乗って、7年前から矯正用のインプラントを使い始めました。実際にやってみると、成功する事もありますが多くの欠点を抱えていました。小さいので外れやすく2~3割は脱落してしまいます。また、根と根の間を狙ってインプラントを入れますが、ピンポイントなのでなかなか難しいのです。もう一つ最大の欠点は、インプラントの位置により動きが複雑になります。

これらの欠点から、次第に使わなくなりました。しかし、いつかシステムとして安定的で安全な方法が出てくるだろうと予測していました。今日のセミナーは、アイ ステーションという商品名で、最大手のロッキーマウンテンモリタという会社から発売されました。九州初講演会ということで、40名くらいの先生方がいらしていました。

治療方法としては下図のような物を上顎に固定します。

これで歯を前後左右上下に自在に動かせ、しかも安全で迅速に動かす事が可能です。

これを使用する事による患者様にとってのメリットを4つほど、ご紹介します。

1.今までできなかった難症例でも、できるようになります。

骨格を変える事は出来ませんが、いままで難しいとされていた歯の沈下(圧化)とか大臼歯の後方移動が可能になります。

2.  抜歯しないとできなかった矯正が、抜歯なしでできる可能性がかなり広がりました。

重症の場合は抜歯しますので、全部ではないのですが、抜歯の可能性は半分以下になりました。抜歯してスペースを作っていた方法から、大臼歯を後方に移動してスペースを作る方法に変える事が可能になったからです。

3. 治療期間がかなり短縮します。

通常は簡単な矯正の場合で2年半くらい、重症の場合は3年半くらいかかります。それが、半年~1年短縮されます。極端な場合1年半で矯正が終了となります。

4. 治療の精度が格段に良くなります。

顔の中心がずれている非対称な症例、上の歯と下の歯の中心がずれていたりする非対称な症例、また左右の高さが違う傾いた症例などでは、インプラントを使用しないと限界がありましたが、完全に治るようになりました。

矯正は歯科治療ですから、治療に流行はないのですが、古い矯正治療は進化の潮流に飲み込まれて、次のステージへと変化し、舞台の主役も変化していくのを感じます。

いわゆる表側のワイヤー矯正 ⇒ 入れ歯型の床矯正 ⇒ 裏側のワイヤー矯正 ⇒ 透明マウスピース矯正 ⇒ システム化されたインプラント矯正 (当医院ではこれら全ての方法を取り扱っております) このように変化しています。

こんな感じで、今日は新しい潮流を肌で感じ取ったセミナーでした。

新インプラントシステム導入

インプラントのメーカーは世界的には100社以上もあります。さらに各社とも数種類のインプラントを出しています。過当競争になってきた感じがする中で、最近になって、段々と世界的にシェアを広げていてるメーカーがあります。当医院では、今まで国産の京都セラミック(京セラ)やアメリカ製のバイコンというメーカーを取り扱ってきました。どちらも、やや価格が高くそれが治療費に跳ね返ってきます。特に本数が多くなると、どうしても百万円単位になってしまいます。
たぶんどの先生も同じ気持ちだと思うのですが、もう少し原価が下げられれば、インプラントの治療費も下げる事ができます。その事で、より多くの患者様にインプラントをして、咬めるようになり、残った自分の歯の負担を減らして、自分の歯を守る事ができます。
そんな時代背景から、韓国の『オステム (Osstem)』というインプラントメーカーが日本でシェアを伸ばしてきているのです。電気製品や自動車についても、最近はSUMSUNG電器・LG電器・ヒュンダイ自動車など海外国内を問わず韓国製を良く見かけます。韓国製の品質は国内産と変わらないだけでなく価格もかなり抑えられているからでしょう。その波がインプラント業界にも来ていて、オステムの製品は、今使用している製品より2~4割は価格が安くなっています。ただ安いだけのメーカーはたくさんありますが、患者様のことを考えると品質がよいことが第一前提です。東京のインプラント仲間の先生から勧められて、このゴールデンウィークにオステムのワールドミーティングに参加しました。場所はロシアのモスクワです。下の写真は前夜祭の様子です。

他の先生方にいい点や欠点がないか等の評判を聞き導入するかどうか慎重に検討しようと思っています。もちろん明日以降に発表される学術的内容も参考にして、最終的にどうするか決めようと思っています。
会場には、世界中から1500名ほどの歯科のドクターが来られていました。どのような国からかというと、下の写真を見ていただくと分かるようにヨーロッパとアジアが多いです。

 

日本は紫色のテーブルで、約85人の参加でした。本社はプサンにあるので、アジア 特に中国・インド・韓国が多いように感じました。明日から色々な先生方の発表が行われますので、じっくり聞いていきたいと思います。このワールドミーティングは毎年行われているようで、来年は東京・去年は中国のシンセン・その前はイタリアのローマだそうで、アジアとヨーロッパで交互になっているようです。今年は、ロシアで行われるということで、前夜祭にバレエ・サーカス・コサックダンスなどが行われました。

やっとインプラントの本が完成しました

インプラントの患者様向けの小冊子の本が完成しました。
書こうと決めたのは、おととしの年末でした。構想というか展開を考えるだけで半年がかかりました。はじめてパソコンに向かって書き始めたのは、去年6月のボストンでのインプラント研修に行く飛行機の中でした。成田からJAL直行便で行き12時間とボストンからの帰り13時間の間、ずっと書いていました。とりあえず書きたい事を書いたのが出来上がったのが8月のお盆ごろで、そこから色々な方に読んで頂き、改訂に2ヶ月かかり、校正に2ヶ月かかりました。年末には出来上がる予定でしたが、次にタイトルの決定や表紙のデザインにまた2ヶ月かかりました。
結局、構想半年、執筆半年かかってやっとの完成です。 カラーで112ページになりました。
タイトルは『インプラント完全ガイドブック』

冒頭の「はじめに」の中から、少し本の内容を紹介します。
人が生まれつき持っている歯にもし値段をつけるとしたら、あなたならば一体いくらのお値段をおつけになりますか?人間の歯1本だけのお値段です。
少し考えてみてください。
いろいろな調査があって金額は様々です。2005年岐阜医療短期大学の中村浩二助教授の「歯の資産価値に関する意識調査」によると患者様が考える1本の歯の値段は平均35万円(お口全体で973万円) です。
一方、歯科医が考える1本の歯の値段は平均104万円(お口全体で2913万円) でした。

~~(中略)~~

だからこそ、患者様にも自分の歯を大切にしてほしいと願っています。
もし私が患者様の歯を治療中、その判断に迷った時には、患者様を自分に置き換えて、ベストな治療方法を提案しています。当医院の勤務医にも、「治療方法に迷った時は、その歯を自分の歯に置き換えて考えるように」と指導しています。
不幸にも歯を失った方にとって、私がベストの治療方法だと確信しているのがインプラントです。
しかしインプラントについては、患者様への情報提供が不十分なために、その安全性に不安や疑問を抱えている方が多いのも事実です。
安全で安心なインプラントを選んでもらうためには、インターネットや広告やテレビまた市販されている本などの情報だけでは、不十分だと以前から感じていました。
そんな方に正しい知識を身につけて、ご自身にとってベストの選択ができるようにという想いから、この本を書き始めました。
さらに、歯科治療の影の部分やインプラントの影の部分も知って頂きたいとも思って書きました。歯科医師の使命として、真実を正確に書いたつもりです。
この本を最後まで読んでいただければ、次のようなことがわかってきます。
◆ブリッジがお口にもたらす障害
◆入れ歯がもたらす全身の病気
◆失った歯の治療の選択枝
◆インプラント治療の判断基準
◆インプラントの利点欠点注意点
◆良い歯科医院の判断基準
もし、ブリッジと迷われているなら残っている自分の歯を守る為にインプラントをお勧めします。
また、既に歯を失い、入れ歯で次のような不自由を感じている方はおられませんか?
◆食べたい物が食べれず、食事が楽しくなくなった。
◆センベイ、タクワン、スルメ等が食べれなくなった
◆人の前で大きく口を開けて笑うと入れ歯の金具が見えるので笑えなくなった。
◆入れ歯がはずれそうで人と話すのがいやになった。
◆旅行には行きたいけど、食事の時間が苦痛になった。
◆家族みんなと一緒の食事でも、一人だけメニューが違うので楽しくなくなった。
◆孫から入れ歯が臭うと言われた。          など
こんな方には、ぜひインプラントで歯が有った頃の楽しみ・かめる喜びを、もう一度取り戻していただきたいと思います。
平均寿命が伸びたのに歯の寿命がこのままでは、楽しい老後が送れません。
この本が、失った歯に対する正しい治療選択に役立ち、歯の寿命を延ばすことで、少しでも楽しく長生きできる事にお役に立てれば幸いです。IPOIインプラント学会  専門医  池田 一彦

販売は院内だけですが、アマゾンにも掲載したいと考えて今後決まりましたらまた、このブログで告知いたします。

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