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骨粗鬆症の薬を飲んでると歯の治療ができない!?

こんにちは、副院長の甲斐です。
日本人の平均寿命は女性は87.26歳、男性が81.09歳(2017年)と過去最高を更新し、世界的に見てもほぼトップを走る長寿国であることは間違いありません。長寿であるということは喜ばしいことでありますが、残念ながら「寿命=健康に過ごせる期間」ではありません。医療技術が発達した昨今では、難しい状態でも命をつなぐことが可能になった反面、様々な病と共に人生を歩む期間も長くなったと言えます。診療の際お薬手帳を拝見することがありますが、一定の年齢を超えた方はほぼ皆さん何かしらの薬を飲んでいらっしゃいます。飲まれているお薬の種類によっては、飲み合わせの関係でこちらからお出しする薬の変更が必要な場合や、処置に配慮が必要な種類のお薬もありますが、特に問題となるのは骨のお薬です。一言に「骨の薬」といっても様々な種類があり、骨に関係する薬を飲んでいるからといって必ずしも問題になるわけではありません。歯科において注意が必要となるのは骨粗鬆症治療薬の中で「bisphosphonate」と呼ばれる種類のものです。
代表的なものとしては
アクトネル

フォサマック

ベネット

ボナロン

リカルボン

bisphosphonate(ビスフォスフォネート)とは
骨というのは一度出来上がればそのままというわけではなく、一定の間隔で少しずつ古い骨が壊されながら新しい骨に置き換えられていきます。この「古い骨が壊されるスピード」と「新しい骨が出来上がるスピード」のバランスが崩れてしまっている状態が骨粗鬆症です。ビスフォスフォネートは古い骨を壊す「破骨細胞」の働きを阻害し、骨量を減らさないようにする作用をもつお薬です。それだけ聞くと歯科には無関係に聞こえますが、ある副作用が歯科領域に大きく関わってきます。それは「ビスフォスフォネート系薬剤関連顎骨壊死」と呼ばれるものです。

ビスフォスフォネート系薬剤関連顎骨壊死とは
詳しい発生機序については今だ完全な解明がなされていませんが、大まかに言いますと
「ビスフォスフォネート系のお薬を飲んでいる状態(体に影響が残っている状態)で口腔内の外科処置を行うと、顎の骨に感染を起こして壊死することがある」
ということになります。薬を服用されている方は必ず起こるというものではなく、確率としても高いものではないのですが、一度壊死が起こると処置に期間を要します。また、外科処置だけでなく、口腔内の清掃不良や歯周病等の炎症も壊死を起こすリスクとなりえます。

冒頭で「骨粗鬆症の薬を飲んでると歯の治療ができない!?」と紛らわしい書き方をしましたが、実際は
「外科処置を行うことが難しくなるが、その他の処置については問題なく、むしろ口の中の清掃状態の改善や、歯周病の治療が顎骨壊死の発生を抑える」
ということになります。
他の病院で処方されている薬情報を共有するようなネットワークは残念ながら確立されていません。ビスフォスフォネート系薬剤の影響は、服薬をやめてもしばらく続きます。お薬手帳は現在の投薬状況を知るだけでなく、服薬履歴を知ることもできます。自らの身を守る為にも、来院時には是非お薬手帳をお持ちください