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歯磨きをしていれば虫歯にはならない?

「毎日歯磨きをしているのに、何故か虫歯になってしまう」
「友達はあまり歯磨きに気を使ってなさそうなのに、歯科医院にもいかず虫歯もないのはなんで?」
検診で虫歯が見つかるたびに、こういった疑問や理不尽さを感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
虫歯は、う蝕原因菌が糖質を代謝することで生まれる酸が歯を溶かす病気です。であるならば、う蝕原因菌が口の中に全く存在しなくなれば、理論的には虫歯は発生しないということになりますが、どれほどしっかり歯磨きやフロスで機械的に清掃しても、殺菌効果を謳う洗口剤(マウスウォッシュ)や歯磨き剤を使用して科学的に除去しようとしても100%の菌を取り除くことはできません。例えば、ブラッシングによるプラーク(細菌のかたまり)除去率は、歯磨き粉を使用してもしなくても約50%程度であると報告されています。洗口剤の成分の中には、塩化セチルピリジニウム(CPC)やイソプロピルメチルフェノール(IPMP)などの殺菌剤、エッセンシャルオイルなどが含まれており、プラーク付着の減少や歯肉炎の抑制効果が認められていますが、滅菌ができるほどの効果はありません。滅菌に使う薬液というと、治療後に使用済みの器具に用いる薬液(グルタラールなど)がありますが、もちろん人の口の中に使えるようなものではありません。薬局で自由に購入できるということは、どんな人が使ってもほぼ問題を起こさない安全性を保証できるということであり、反面含まれる有効成分も減弱されたものになっていることが推測されます。
また、砂糖摂取が虫歯に与える影響は、歯磨きをすることで若干弱まることはあっても決してなくなることはないということが、いくつかの研究で報告されています。たとえ歯磨きの回数を増やしたとしても、砂糖摂取量の増加とともに虫歯も増加するということもわかっています。
以上のことから見えてくるように、歯磨きや様々なデンタルケアグッズを用いて頑張ったとしても完全に虫歯の発生を防ぐことは難しいことが分かります。では、なぜ歯磨きをあまり頑張っていなさそうでも虫歯にならない方がいるのか、ということもなんとなく想像がつくのではないでしょうか?
口の中に定着する菌の種類と分布割合は、虫歯のなりやすさに大きく影響することが知られています。ミュータンスレンサ球菌はプラークの歯面への付着を強固にし、乳酸桿菌は砂糖から酸を作る力が非常に高いです。つまり、これらの菌の割合が少なければ、虫歯のリスクも少なくなると言えます。歯ブラシなどで清掃を行うことで、一時的にこれらの菌数を減らすことはできますが、定着した菌の分布割合を変えるには至りません。では、歯磨きが無意味であるかといわれると、全くそのようなことはありません。虫歯リスクが高い方が歯磨きを怠れば、更に虫歯が進行しやすくなるだけですし、虫歯のリスクが低い方も、セルフケアをないがしろにすれば、口臭の原因にもなり、歯周病のリスクが非常に高くなります。リスクの高い方が虫歯の発生を下げるためには、多角的な対処が必要になります。ブラッシングについては、フロス等も用いてなるべく歯面にプラークが付着している量を減らし、セルフケアで除去できない部分はプロによるスケーリングやPMTCで徹底的な除去、付着しにくい歯面をつくります。また、フッ素を上手く用いて酸に対する歯の抵抗力を上げることも有効です。食べ物に関しては、糖質の摂取量を減らしたり、代用甘味料を用いることで有意にう蝕リスクを下げることができます。
高血圧や、糖尿病の治療でも、薬だけで治るということはないはずです。「どうせ虫歯になるんだから」と諦めず、いろいろな方面から対処してみましょう。