093-961-6480

ブログ
ブログ

院長ブログ

唾液の力 パート3 (口腔乾燥症)

前回、前々回と唾液のいろいろな作用についてご紹介してきましたので、唾液がお口を潤すだけでなく、アミラーゼやムチンなどそれぞれの構成成分が機能を持ち、お口の潤いと健康を守っているということがご理解いただけたと思います。

では、その唾液の分泌量が減ってしまうとどういったことが起こるのでしょうか。
唾液の分泌が減少して、口が乾いた状態のことを、口腔乾燥症(ドライマウス)といいます。
症状としては、軽度なら主に口の中のネバネバ感、ヒリヒリする、口臭が強くなるなどです。重度になると、舌表面のひび割れ、痛みで摂食障害、会話しづらいなどの障害もあらわれます。場合によっては不眠をきたすこともあります。
健康な人の1日あたりの唾液の分泌量は、平均1~1,5リットルですが、遺伝や疾患などが影響して、分泌量が減少変化します。また、年齢や、使用している薬の副作用、ストレス、口呼吸などによって、唾液の量が減る原因となります。
このようなことで唾液の量が減ってしまうと、ものを「食べる」ときにさまざまなところで不便を感じることになります。
「食べる」という行為は「噛む(咀嚼)」「まとめる(食塊形成)」「飲み込む(嚥下)」の3つの工程からなります。

唾液が正常に分泌されているときは、歯と顎の力で食べ物を細かく砕き、飲み込みやすくするために唾液を使って適度な塊にします。それから食べ物をのど(咽頭)から食道へ送りこみます。唾液で食べ物を覆っているので、のどや食道が傷つかないようになっています。
唾液の分泌量が少ないときは、歯と顎の力で食べ物を細かく砕いたあと、なかなか適度な塊になりません。最近、噛むのが疲れるという方はこれが原因かもしれません。上手に塊がつくれないので、飲み込むのも苦労します。お茶や水がないとひと苦労に感じるかもしれません。これをほうっておくと、食事をすることが面倒になり、食欲不振や低栄養状態のリスクが高まります。また、上手に食べ物の塊がつくれないので、飲み込みに失敗し、のど(咽頭)から気管にいってしまい、よくむせるということが起こってきます。これをほうっておくと、誤嚥性肺炎のリスクも高まってくるのです。
ほかにも、唾液の分泌量が少ないと、抗菌作用が働かず、菌が繁殖しやすくなり、むし歯や歯周病、口臭のリスクも高まります。
お口の乾燥は大事なサインです。唾液もケアが必要になってきます。
保湿性薬剤や保湿力の高い洗口液、保湿ジェルなどが有効です。積極的に水分を補給するように心がけるのも大切です。
お口の乾燥が気になったら、一度歯科医院でご相談ください。

TOPへ戻る